ドキッ!男だらけの演奏会

マーチングバンドの元メンバーのコ(以下、Aちゃん)が所属する吹奏楽団の演奏会に行ってきた。Aちゃんはゲイで、ゲイオンリーの吹奏楽団だから、メンバーが全員男。メンバーの友達もやはりゲイが多いのか、客席も演奏会にしては男性が多め。そんな感じなので私はドキッ!とすることはない。

初めてこの吹奏楽団の演奏会に行った時は、Aちゃんはゲイであることをオープンにしていなかった。Aちゃんの楽器がクラリネットで、入場してくる時もクラパートに注目していたら全員男だったものだから「クラが全員、男って珍しくない?」と一緒に行ったコと話していたら、それを聞いたであろう周りのお客さんが発する気配と、思い出されるAちゃんの隠しきれないオネエ口調(ゲイが全員オネエ口調というわけではないけれど)、ステージに立つメンバーがクラのみならず、全員男なのが相まって「このバンドのメンバー、全員ゲイなのか」と気付いた。

Aちゃんはその翌年ぐらいにゲイであることをオープンにし、この演奏会の時のことを「何も言わないで誘っちゃってごめんね」と謝られた。誰にでも秘密にしたいことの一つや二つあるのに、自分なんかオープンにしなさ過ぎてて、こっちの方こそごめん、となった。

そもそも自らのセクシャリティをオープンにする必要は本来ならないはず。意を決してオープンにする必要がない、というか。ホモだからオープンにしなくてはいけない?ヘテロだからしなくてもいい?そんな区切りはいらないんじゃないのか。人が人を好きになることに、区切りを設ける必要もない。何でも区分けをし過ぎるから、思い悩む人間が増えるんでしょうよ。と、書いてる自分が区分けをしてないのか、と言えばそんなことはなく、本当にごめん、と思う。

その後、前職の同僚で吹奏楽団の団長を務めている人(以下、団長)がいて、その楽団の演奏会も行った。会場に着いて、お客さんの雰囲気がAちゃんのバンドとめっちゃ似てるな、と思っていたら、休憩中にAちゃんのバンドからの祝電が披露され、よく見たらプログラムにあるバンドのロゴにも虹があしらわれている。

で、Aちゃんに会う機会があり、団長のバンドについて聞いてみたところ、やはり主要メンバーがゲイのバンドとのこと。ですよねー。しかも同僚が団長であることを告げたら、「え、ウソ!◯◯さんなの!?」と顔見知り。

世の中は狭いな、と実感した。あと、団長はゲイをオープンにしていない。職場関係ではしないと決めているのかも。

その後、Aちゃんの演奏会にまた行く機会があり、その会場で団長と鉢合わせる。Aちゃんのことを話してみたら、かなり動揺した上に、知らないです、的な反応。ゲイであることを隠したいあまりにそうなってしまったのかと思う。

またその後、団長に自分のマーチングバンドの演奏会に来てもらった際、終了後に挨拶しに行ったらAちゃんも居合わせ、私は団長がゲイってわかっちゃってるし、団長も多分私にゲイだということがバレているだろうとは思っているけどオープンにはしないし、Aちゃんは何も言えない、といった感じで気まずい空気に。思わぬところから知っちゃってごめん、と思った。

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